今回はリハ拒否について考えていきます。
僕らもめんどくさいことに対して辞めたくなったり先延ばししてしまうことがあると思います。
リハビリも辞めたくなる日が患者、利用者にもあると思います。
しかし僕たちは毎日の継続してリハビリを行うことが大切なことを知っているため、是非ともやってほしいと説得しますよね。
今回はそんな説得の言葉はとても重要なんやっていうのを感覚的にわかっていた部分を少しだけ紐解けたらと思います。
今回紹介するのはフレーミング効果というものになります。
フレーミング効果とは
人は事柄の提示の仕方により、意思決定や判断が左右されてしまう現象になります。
フレーミングとは事柄を提示する方法を意味します。
例えば2人の外科医が手術のリスクを説明するとします。
A;10%の人がこの手術中に死亡する。
B;90%は生存します。
皆さんはどちらがリスクが高いと感じますか?
Aのほうがなんかリスクが高いと感じませんか?
AもB言っていることは同じなのに僕らの脳では解釈が変わってしまっていますよね。
なので伝え方は思った以上に大事になってくるのです。
意思決定を促す場合に効果的なことを促したい場合はBの提示の仕方が良いと言われています。
リスクを伝える、あまりしてほしくないことを提示する場合はAの提示の仕方をすると抑制されやすいです。
またフレーミング効果は人間の利得の価値より、損失の価値の方を回避しようとする。そのためリスクを負ってでも失うことを回避しようとします。
人間のこのような現象は交渉を利得の状況としている交渉者は相手に対して譲歩的な態度を示しやすいのに対して、交渉を損失の状況としてフレーミングしている交渉者は当該の交渉が決裂することも厭わず、強行的な態度をとる傾向が強い(Neale&bazerma ,1985;bottom &Studt.1993;Kristesen &Garling1997)とのことです。
一般に人間が損失を避けようとする動機付けは利得を得ようとする動機付けの2倍前後まで登る(novemsky&kahneman.2005)とされているようです。
論理的には同じ状況の交渉であったとしても、それが利得を得るための交渉としているか、損傷を避けるための交渉としているかによって個人の交渉行動に変化が出てしまうのです。
人間は認知の仕方ひとつでそんなに変わるなんて不思議ですね。
なのでリハビリ拒否をやめてほしい場合は例えば、脳卒中の方だと損失があるような伝え方が有効です。
今頑張らないと一生ゲームができませんよ?6ヶ月したら回復が遅くなる可能性がありますよなどで説得すると良いかと思います。
この時に客観的データ(何%の確率でなどの数字)があるとなお良しです。
伝え方ひとつで人は捉え方ががらりと変わります。
良い治療を提供させてもらうために説得し、患者、利用者の人生に貢献していけるように頑張りましょう。
現在セラピストは毎年1万近く増え続け、淘汰される時代が来るのでは?とちょこちょこ耳にします。
自分自身の価値をあげなければ、職を失う可能性もあります。
自身の武器を見つけ、人から必要とされる人になりましょう。
今、この瞬間からでも間に合いますから。