リハ拒否の恐怖〜説得の前の下準備〜

本日はリハビリを行う際のリハ拒否についてまた考えていきましょう。

僕らは人の幸せにするために治療していきますが、治療される前に良し悪しを決められることが多いので説得できた方が良いかと思います。

今回は説得する際にあることをするだけで説得が行いやすくするテクニックについて考えていきます。

今日はアリゾナ州立大学の心理学、マーケティング名誉教授のロバート・チャルディーニさん『PRE-SUATION——影響力と説得のための革命的瞬間 』の著書を参考にして見ていきます。

今回のテクニックは一貫性の原理を利用して説得をおこないやすくするものになります。

まず、一貫性の原理についておさらいしときましょう。

一貫性の原理とは

一度決定を下したり、ある立場をとる(コミットする)と自分のうちからも外からも、そのコミットメントと一貫した行動を取らないとという心理のこと。

では実験について見ていきましょう。

コミュニケーション学者のサン・ボルカンさんとピーター・アンゼルセンさんが行なった実験になります。

彼らは通行人に声をかけて、ある調査への協力を頼みました。「少しお時間よろしいでしょうか?」といった感じのごくごくある一般的なアンケートになります。

この呼び止めた相手に調査の協力を頼み込んだところ、声かけの方法で調査に協力してくれるのかを調べてものになります。

結果から言います。

普通に呼び止めた相手が調査に協力してくれた割合は29%

それに対して「あなたは人助けできるタイプですか?」と訪ねて、自らが研究者に対して「はい」と認めた後に調査協力を依頼すると77.3%の人が調査に協力してくれたのです。すごい割合ですね。

さらにボルカンさんとアンゼルセンさんは第二の実験を行いました。

第二の実験ではソフトドリンクの無料サンプルをあげるのでメールをアドレスを教えて欲しいという実験になります。

第1グループでは呼び止めてすぐに無料サンプルをあげるのでメールアドレスを教えて欲しいと頼みました。この場合連絡先を教えてくれたのは33%になりました。

第二のグループでは初めに紹介した実験と同じようにあることを訪ねてからメールアドレスを聞きました。

あることとは

「あなたは冒険心のあるタイプで新しいことを試すことが好きですか」と訪ねました。その場合もほとんどの人が、「ハイ」と答えました。その後にメールアドレスを聞くと75.7%もの人がメールアドレスを教えてくれたのです。

まず面白い発見は「冒険心のあるか」を聞かれた際に97%(72人中70人)がハイと答えていたところです。

人は一面的な質問をされたときには質問された方は殆どが当てはまると答えるものなのです。僕らの性格は当たり前ですが、慎重な面もあったり、冒険心があったりと多様性がありますが、1つしか質問されていない場合には殆どが当てはまると判断しまいます。

占い師なんかは「今悩んでいることがありますね」とか言って僕らをコントロールしようとしてきますが、悩みがない人間なんて殆どいませんから当たってしまうわけです。

もう1つの面白い特徴は、簡単な質問1つで、大勢の人間が潜在的な危険性のある選択肢を選ばせることができたという点です。

ネット被害がある中でメールアドレスを教えてしまったのです。

方向づけされた注意は、その場で意識の向いている側面を目立たせるだけでなく、同時にそれと相反するような側面をどれだけ重要だとしても全て覆い隠してしまうのです。

これはリハビリにも応用が効くのではないでしょうか?

リハビリの必要性がわからず拒む人であれば

あなたは協力的な人ですか?ほとんどの人はハイと答えると思います。そこから私のリハビリに協力してくれませんか?と伝える。

他にも冒険心はありますか?と答えてもらった後に、こんな練習ありますよと提示してみるなどできると思います。

リハビリ拒否をする人は分かっているけど頑張れない人、何もわからずに断ってしまう人など様々ですが、提供して見ないと僕らの価値は分かっていただけません。

説得しリハビリを僕たちの価値を提供できるように頑張りましょう。ぜひ参考にして見てください。


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